2021年9月3日メダリスト記者会見(水泳競技 鈴木孝幸選手・山田美幸選手)

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東京2020パラリンピック競技大会にて、金メダルほか全5種目でメダルを獲得した鈴木孝幸選手(水泳)と銀メダルを2個獲得した最年少メダリストの山田美幸選手(水泳)が9月3日、記者会見に出席し、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。

 

Q:メダルを獲得されて改めてのご感想は?

■鈴木選手:今回、個人種目5種目に出場いたしまして、すべてでメダルを獲得することができました。エントリーの時点では50m自由形をのぞいては全部3番エントリーでしたので、そこから順位をのばせた種目もあって大変うれしく思っています。100m自由形では金メダルも獲れましたので、大変うれしく思っています。

 

■山田選手:初めてのパラリンピックで銀メダルを2個とれるなんて思ってなくてとてもうれしいです。50m背泳ぎでは金メダルを狙っていたので、銀メダルという結果に終わって少し悔しいです。ですが、100mでは予選を3位で入って銅メダルを目指していたところ、皆さんの応援のおかげでタイムを伸ばして、銀メダルをとることができました。とてもうれしいです。ありがとうございました。

 

 

Q:この大会を振り返っていただけますか?

■鈴木選手:私はリオパラリンピックでメダルを獲得することができませんでした。その後取り組んだトレーニングと泳ぎのテクニックの変更が、そちらの2点がそれ以降のパフォーマンスの向上に関係していると思います。東京パラリンピックということで、大変多くの方に応援もいただきましたし、開催してから初めてメダルをとった50m平泳ぎの後や100m自由形で金メダルをとった後に、家族・友人以外からも多くのメッセージをいただいて、とても力になったと思っています。そのみなさんのおかげで5種目乗り切れたと思っています。

 

■山田選手:皆さんの応援・期待にこたえられるように頑張りたいという気持ちと私自身の欲深さから、水泳が大好きで、その大好きな水泳でてっぺんをとりたいな、世界を目指したいなという気持ちが原動力になっていると思います。

 

 

Q:大会を終えて、やってみたいもの、食べたいもの、欲しいものはありますか?また、次の目標、パリへの目標がありましたら教えてください。

■鈴木選手:今やりたいことは、髪を切りたいということと、趣味で将棋もさしていますので、オンラインでの対戦をしてリフレッシュしたいです。あとは、イギリスから帰ってきてそのまま大会にのぞみましたので、まだ家族に会えていませんので、家族含め応援してくださった方にご報告したいです。あと、やらなくてはいけないことでいうと、博士課程の論文はやらなくてはいけないなと思っています。

 

■山田選手:私、今年、受験で、まずは勉強に集中したいなと思っています。あと、やりたいのはゲームで、デイリークエストなどをすべてほったらかしにしていたので、少しやりたいなと思っています。パリに向けて50m背泳ぎで今回目指していた金がとれなくて、シンガポールの選手を超すことができなかったので、パリでは超せるように頑張りたいです。

 

 

Q:今大会振り返って、自分の泳ぎは何点をつけたいですか?

■山田選手:自分の泳ぎはキックがストロングポイントで、しかし今回の大会では後半で落ちてしまうなどがあったので、スタート・ターンは100点超えて120点と言いたいところですが、全体のレースを含めると80点、90点くらいだと思います。

 

 

Q:地元の新潟県阿賀野市に帰って食べたいものありますか?

■山田選手:お米です。お米最高です。

 

 

Q:おかずは何かつけますか?

■山田選手:なめたけが食べたいです。のリ酢和え、のりの佃煮などが好きです。

 

 

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Q:メダルを5個手元に持った感想はいかがですか?

■鈴木選手:パラリンピックのメダルということで一つ一つに重みを感じますし、5個とれたということでさらなる思いも感じています。

 

 

Q:2回目の国際大会がこのパラリンピックで、障がいに対する意識や新たな気づきはありましたか?

■山田選手:選手村で車いすの選手がたくさんいて、障がいを持っていることが普通にある世界を感じて、逆に健常の方が珍しいというのを聞いて、普通という思い・考え方が少し変わりました。海外の選手でもいろんな方がいっぱいいて、話し方も違いますし、声が大きいと怒っていると思いがちだと思いますが、それが普通の話し方ということがあって、先入観を少し捨てられたのかなと思います。

 

 

Q:これまでに日本選手が獲得した6個の金メダルのうち、5個を静岡県出身の4選手がとりました。鈴木選手も静岡県出身ですが、なぜ静岡県から世界のトップ選手がこれほど出ていると思いますか。

■鈴木選手:今聞いてそんなに静岡出身の方が金メダルをとったと気がつきましたので、理由は正直分からないです。例えば私の場合は6歳の頃に水泳を始める段階で、近くに障がい者のスイミングスクールがあって通うことができたのも大きなポイントだと思います。私が6歳の時なので30年近く前の話になりますが、その時点で土壌があったことは大きなポイントだと思います。競技においても(影響が)あったのかなと思います。

 

 

Q:鈴木選手には英国でしたいこと、山田選手には将来の夢を、それぞれ教えてください。

■鈴木選手:ずっとトレーニングを支えてくれる、イギリスのコーチやトレーナーにしっかりご報告をしたいと思います。許されるなら、お酒の席も設けられたら良いなと思っています。コロナの状況次第ですけれども。イギリスでも多くの方に応援していただきましたので、しっかりとメダルを見せて報告したいという思いが強いです。

 

■山田選手:私には、勉強とか本当に精いっぱいやらないと届かない夢で、外交官を目指しています。人と人とをつないで、国と国とをつなぐ仕事はすごく良いなと思ったので今あこがれています。

 

 

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Q:パラリンピックで鈴木選手や山田選手をはじめとしたアスリートの活躍を見てスポーツをやってみたいと思った障がいのある子どもたち多いと思います。一方、スポーツクラブや習い事を探す場合も簡単ではない現状もあります。障がいのある人がスポーツを楽しむためにどんなことが必要だと思いますか?一般のスイミングスクールで障がいのある選手を受け入れる場合、どんな準備や工夫が必要だと思いますか?

■鈴木選手:ハード面とソフト面のバリアフリーが欠かせないと思います。設備の面で、障がいをもった方が使いやすい施設が増えるのが一つだと思います。あとは障がいをもった方への理解、どういったサポートが必要で、逆にサポートをしすぎるとその人にとって良くないので、どういったニーズがあって、どういったサポートが必要というのがそれぞれ違いますので、ご理解いただけるのが大きいかなと思います。あと、障がいを持っていても皆さんと同じ人間なので、教えるという部分ではそこまで差はないと思っています。今回のパラリンピックで、障がい者スポーツや障がいをもった人がスポーツに取り組んでいることに対して理解が深まったら嬉しいと思います。

 

■山田選手:軽い障がいの選手や、見た目で分からない障がいをもっている選手は、普通のスイミングスクールに通っていて、スイミングスクールのコーチは障がいのある・ないを把握していなかったということもあります。障がいがあることは異常でないので、いろんな人が障がいを持っていると思うので、その理解と設備、義足とか車いすも必要になってくると思うので、そのあたりの支援とまではいかなくてもアドバイスをしてあげることが大切だと思います。

 

 

Q:鈴木選手は日本(パラ水泳)チームのキャプテンという立場から山田選手の活躍をどう感じていますか?また山田選手も鈴木選手のご活躍をどう思いますか?

■鈴木選手:まず成績面ではいうことはないぐらいすばらしい成績を14歳という若さで残してくれました。とても明るいキャラクターですので、チームの雰囲気も明るくしてくれています。矢田選手の銀メダルで、日本のパラ水泳のチームも盛り上がったので、良い活躍をしてくれたなと思います。パリに向けても期待を持てる選手だなと思っています。

 

■山田選手:全種目でメダルをとって、金もとられていて、本番で自己ベストを出す、順位をあげることがすごいなと思います。試合前も今の記者会見も同じテンションで話してくださるので、チームがゆらゆらとしても、ずっと同じ話し方、テンションでいらっしゃるのがとても支えになります。試合前も同じテンションで勇気をもらいました。

 

 

Q:100mと50mで心境の変化はありましたか?

■山田選手:100mで緊張しすぎて、逆に落ち着いてしまいました。落ち着いていても50m予選では緊張しましたし、良いタイムが出なかったので、表に出さないだけで、わりと心の中では緊張しています。

 

 

Q:御自身へのご褒美はありますか?

■鈴木選手:考えてなかったので、また考えておきます。今一番食べたいものはお寿司です。

 

■山田選手:昨日もうご褒美で食べてしまったのですが、試合前は油もの甘いものダメなので、昨日はケーキとたこ焼き・お好み焼きを食べました。