パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2026年9月18日

ヒューリック・ダイハツJapanパラバドミントン国際大会2026

アジアパラの前哨戦、日本勢が5種目で優勝!

「ヒューリック・ダイハツJapanパラバドミントン国際大会2026」が9月8日から6日間にわたり、東京体育館で開催された。世界32カ国から約200人が参加し、各クラスで頂点を争った。日本からは、10月の愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の日本代表12人が出場。5種目で金メダルを獲得し、世界の強豪を相手に存在感を示した。

男子シングルスWH2で優勝した梶原(左から2番目)と準優勝の大山(左)

梶原、里見が大会4連覇! 西村は世界1位を破り初優勝

男子シングルスWH2決勝では、世界ランキング1位の梶原大暉(ダイハツ工業)と同7位の大山廉織(KOMPEITO)が対戦。21-9、21-4で梶原が勝利し、大会4連覇を達成した。梶原はラリー戦に持ち込んだうえで、精度の高いショットでポイントを重ねた。大山は「大暉と対戦して改めて体幹のブレや腹筋の弱さが露呈した試合だった。アジアパラでも大暉と決勝で戦えるよう、強化していきたい」と話し、次なる戦いへ気持ちを切り替えた。

同WH1決勝では、西村啓汰(パシフィック車いすバドミントンクラブ)が世界ランキング1位のムハンマド・イフワーン・ラムリ(マレーシア)を13-21、21-11、21-15で破り、ジャパン国際初優勝を飾った。過去7戦全敗だった相手から初めてゲームを奪うと、ロブなどで展開に変化をつけて逆転。強化してきた「早く打点に入る」プレーを貫き、「やってきたことは間違いではないという証明になる」と手応えを語った。

男子ダブルスWH1-WH2は、西村啓汰・梶原大暉組が決勝でマレーシアペアをストレートで破り、頂点に立った。シングルスとの2冠となった梶原は、「課題を修正し、本番では僕たちが勝つところを見せたい」とアジアパラでの活躍を誓った。

女子シングルスWH1決勝は、里見紗李奈(NTT都市開発)が友寄星名(ダイハツ工業)を21-18、21-16で下し、大会4連覇を達成した。通算対戦成績は里見の9連勝となったが、世界ランキング2位まで上昇した20歳の友寄は着実に差を縮めている。決勝でも先に11点を許した里見は、相手の狙いを冷静に見極めて逆転。「会うたび強くなっているし、私も止まっていられない」。身近なライバルから受ける刺激を力に、さらなる高みを目指す。

今井は準優勝、河合は圧巻の2連覇

男子シングルスSU5で準優勝した今井は、地元開催のアジアパラでのリベンジを誓う

男子シングルスSU5の今井大湧(ダイハツ工業)は、準決勝でメリル・ロケット(フランス)をストレートで破るなど、決勝まで好調を維持。決勝では第1シードのチア・リク・ハウ(マレーシア)に13-21、11-21で敗れ、準優勝となった。パリ2024パラリンピック競技大会で5位だった今井は、この1年間取り組んできたフィジカル強化の成果を発揮。2年間勝てなかったロケットを下し、確かな手ごたえを得た。一方で、通算20回目となったチア戦では「自ら低い展開にしてしまい、押し込まれた」と悔しさをにじませた。愛知県出身の今井は「今日の悔しさを持ち帰って練習し、絶対に金メダルを獲れるように準備したい」とアジアパラでの頂点へ、改めて意欲を示した。

同SL3の藤原大輔(ダイハツ工業)は、準決勝で世界選手権を制したプラモド・バガット(インド)にストレートで敗れ、決勝進出はならなかった。

女子シングルスSL3決勝は、世界ランキング1位の河合紫乃(セイリン)がケイトリン・ドランスフィールド(オーストラリア)を21-2、21-6で下し、大会2連覇を達成した。元S/Jリーガーの河合は、股関節の手術をきっかけに左脚に麻痺が残り、2018年に車いすフェンシングへ転向。その後、左脚の切断を経てパラバドミントンに転向すると、2025年の海外初遠征で優勝し、今年2月の世界選手権も初出場で制した。今大会は全試合で相手の得点を2ゲーム合計9点以下に抑える圧倒的な強さを披露。「カットの精度を上げてきたので、アジアパラで試したい」と、10月の大舞台を見据えた。

次世代選手も世界との対戦で収穫

パラリンピックメダリストとの対戦経験を「今後に活かしたい」と語った女子シングルスSL4の中村

次世代選手たちの奮闘も光った。女子シングルスSL4の中村鈴(精華女子短期大)は、競技を始めて4年でアジアパラ代表の座をつかむと、今大会では世界ランキング2位のレアニ・ラトリ・オクティラ(インドネシア)と対戦。敗れたものの、世界トップを相手にラリーを続け、コートの使い方や冷静な試合運びを学んだ。予選リーグを1勝1敗で突破し、決勝トーナメントに進出した中村は、準々決勝では世界10位のマルジョリ・ボワジョル(フランス)に屈したが、世界のトップ選手と実戦で渡り合うなかで、今後につながる経験を得た。

男子シングルスSL4の18歳・小川航輝(東京エネシス)は、敗戦のなかにもラリーで主導権を握る場面をつくり、取り組みの成果を実感。同SU5の19歳・金井航(日体大)も世界ランキング1位との対戦で現在地を知り、「たくさん勉強して、経験を積みたい」と前を向いた。

同WH1の23歳・江口翔一朗(NTT都市開発)は、予選リーグで世界ランキング1位、同7位の選手と同組に入り、予選敗退となった。チェアワークやショットの精度を高めてきた成果を感じながらも、「上達した部分のピースが試合では噛み合っていない」と課題を口にした。7月のブラジル国際、8月のペルー国際ではいずれも準優勝し、10月のアジアパラでは初めての国際総合大会に挑む。今大会で浮き彫りになった課題を次の舞台でどう生かすか。世界との戦いを重ねる若き選手たちの、さらなる飛躍に期待がかかる。

(MA SPORTS)