パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2026年9月17日

第18回全日本パラ卓球選手権大会(肢体の部)

若手からベテランまで躍動! 岩渕、友野は三冠

「第18回全日本パラ卓球選手権大会(肢体の部)」が9月7日から3日間にわたり、東京・墨田区のひがしんアリーナで開催された。各クラスの日本一を決める国内最高峰の大会に全国からトップ選手が集結。男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの全29種目で頂点が争われ、各コートで熱戦が繰り広げられた。

男子シングルスクラス4で優勝した齊藤(中央)、2位の七野(左)、3位の青木(右)

男子クラス4は齊藤がライバル七野を破り頂点

車いす男子シングルスのクラス4は、齊藤元希(プランテック)が決勝で七野一輝(オカムラ)を3-1で破り、優勝を飾った。七野がクラス変更で同クラスに加わって以降、齊藤は第16回、17回大会と全日本の決勝で2連敗。3度目となった今回の対戦で、見事に雪辱を果たした。勝利を引き寄せた要因のひとつが、プレースタイルの変化だ。齊藤は「自分からより積極的に攻撃できるよう、少し前にバックのラバーを変えたことが有効だったと思う」と振り返る。新調した車いすにも動きを預けられるようになり、プレーの安定感も増したという。

一方、七野も「高さがあったり、ナックルボールがエンドラインの深いところに来たり、齊藤選手の独特なボールに合わせられなかった」と話し、齊藤のプレーを称えた。

10月の愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会では、クラス4と5のコンバインで実施される予定。齊藤にとってはさらに状態の良い選手との対戦も見込まれるが、「自分らしく対抗できるように練習を積んでいきたい」と、さらなるレベルアップを見据える。敗れた七野も「アジアが強いクラスだが、ここで勝てないとロサンゼルス2028パラリンピックでもメダルは獲れないと思うので、優勝を目指す」と力を込めた。

このほか、同クラス1は四海吏登(アンビションDX)、クラス2は宇野正則(CTS)、クラス3は北川雄一朗(Legame)、クラス5は中村亮太(日本オラクル)が優勝した。

岩渕は単複で存在感、舟山は手術から約1カ月半で復帰

男子シングルスと男子ダブルス、混合ダブルスで頂点に立った岩渕

立位男子シングルスのクラス9は、岩渕幸洋(ベリサーブ)が予選から順当に勝ち上がり、決勝では本多利行(愛知ファイヤーズ)をストレートで下して3連覇を達成した。さらに阿部隼万(キンライサー)と組んだ立位男子ダブルス(合計18以下)、友野有理(タマディック)との立位混合ダブルス(合計17以下)でも優勝し、3冠を達成した。

自国開催のアジアパラに向けて、「東京2020パラリンピックは無観客だったが、今回は皆さんにプレーを見ていただける貴重な機会」と語る岩渕。「アジアでの大会ではまだ金メダルを獲れていない。その壁を今回乗り越えられるよう、優勝を目指す」と意気込んだ。

同クラス10は、舟山真弘(早稲田大)が決勝で垣田斉明(サムティホールディングス)を下し、頂点に立った。実力者を相手に強弱をつけたプレースタイルで勝ち切り、「成長を感じる試合だった」と振り返った。舟山は今年1月、腎臓がんが見つかり、2月に摘出手術を受けた。入院を経て、約1カ月半後には競技復帰。ウエイトトレーニングを取り入れながら身体づくりに励み、8キロほど減った体重も、身体を動かす感覚も、現在ではほぼ元の状態まで戻ったという。アジアパラでの目標は「変わらず、優勝すること。そして世界選手権につなげたい」。復帰後の歩みを確かな自信に変え、世界の頂点を見据える。

同クラス6は千原拓郎(個人)、クラス7は八木克勝(愛知ファイヤーズ)、クラス8は阿部が制した。

三浦、宮﨑らが優勝、75歳&78歳も躍動

女子シングルスクラス10を制した三浦は、「アジアパラでも優勝を狙う」と力強く語る

立位女子シングルスのクラス10は、18歳の三浦稟々(クラーク記念国際高)が2大会ぶりに優勝。車いす女子では、クラス4を20歳の宮﨑恵菜(Mihotaku)、クラス3を26歳の池山優花(三菱オートリース)が制し、若い選手たちがそれぞれ頂点に立った。

立位女子シングルスのクラス8では、17歳の藏下朝子(大分上野丘高)が決勝に進出。決勝では、パラリンピック2大会連続5位の友野が藏下を下し、優勝を果たした。友野は持ち味の多彩なサーブのレパートリーをさらに増やし、レシーブも強化してきたという。さらに、男子の岩渕と組んだ混合ダブルス、クラス10の山崎玉乃(SST富士山)との女子ダブルス(合計20以下)でも優勝を果たした。

ベテラン勢も存在感を示した。立位女子シングルスのクラス7では、75歳の角田セツ(藤沢レディース)が2大会ぶりの頂点に立った。55歳で退職後、かつて取り組んでいた卓球を再開し、指導員や審判の資格も取得して活動していたが、65歳の時に脳梗塞を発症し、左半身に麻痺が残った。その後、リハビリを経て5年前にパラ卓球を始め、海外遠征も精力的に挑戦。アジアパラの出場も決め、「選んでもらって感謝している。ひとつでも多く勝ちたい」と、さらなる挑戦への意欲を見せた。

また、78歳の別所キミヱ(ALPHA GROUP)は、車いす女子シングルスのクラス5で優勝。アジアパラに向け、「年齢は関係ない。自分の持っている力を全部出したい」と意気込みを語った。

(MA SPORTS)