パラスポーツ最高峰を目指す姿を追いかける最前線レポート--Next Stage--企画・取材:MA SPORTS

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2017年5月1日

車いすテニス 船水梓緒里選手

「東京パラリンピックの表彰台を目指したい」


「いつでもどんな状況でも、自分のプレーができる選手になりたい」と語る船水

高校2年の船水梓緒里(麗澤高/エイベックス)が、成長を続けている。日本のトップ選手が集結した「DANLOP KOBE OPEN 2017」では女子メインドローシングルスでベスト8に入った。5月の世界国別選手権(イタリア)の女子日本代表にも選出されている。世界の強豪との対戦を前に、「自分がどこまで通用するのか楽しみ」と話す。

激動の一年間だった。昨年、この世界国別選手権(東京)のジュニア日本代表として、初めて海外勢と対戦した。心身ともに大きな経験を積んだ船水は、その3カ月後にシニアに転向。それ以降、主に国内トーナメントで年上の選手を相手に腕を磨き、本来なら今年の目標だった日本マスターズ出場も、1年繰り上げで叶えた。

左利きの船水がいま強化しているのがフォアとサーブ。とくにレフティ特有の外に逃げるサーブは、今大会のダブルスでもエースをとるなど有効で、手ごたえを感じた。「結衣ちゃん(上地)はじめ、日本の女子は左の選手が多い。どの先輩方もサーブから自分の展開につなげているので参考にしたい」と気合いを入れる。

中学時代の事故で車いすに。男子の国枝慎吾(ユニクロ)に憧れて車いすテニスを始め、国枝と同じ吉田記念テニス研修センターで練習し、国枝の母校・麗澤高に進んだ。また、自分と同じ10代から日本女子の頂点に立つ上地にも大きな刺激を受ける。学業との両立をはかりながら、尊敬する先輩たちと同じように世界ツアーに挑戦したい考えだ。

見据えるのは、「2020年東京パラリンピックの表彰台」。大いに可能性を秘めた16歳は、3年後の夢の舞台に向かって邁進していく。

(MA SPORTS)