クラス分けとは、「競技または種目を行うために必要な基本的動作に影響を与える障がいの程度に従い、競技者を競技クラスにカテゴリー分けすること」をいい、そのクラス分けの目的は、「パラスポーツの参加対象者を定め、種目における障がいの影響を最小限に抑えること」です。
パラスポーツにおいて、単に障がいの種類や程度が他の選手との優劣を決めるのではなく、その選手の鍛え上げられた技術、パワー、持久力、戦術、そして精神面の強さが組み合わさることが成功に繋がるようにするためにクラス分けは行われます。
クラス分けに関する用語について詳しく知りたい場合は、クラス分け語句説明をご覧ください。
JPCクラス分け紹介ビデオ(クラス分け委員会 クラス分け情報・研究拠点)
一般的に国際大会でクラス分けを受けるときは、アスリートの競技クラスは以下のような流れで決まります。
アスリートにどのような「基礎疾患」があるのか、その基礎疾患がどんな障がいに繋がっているかを「医学的診断情報(MDF: Medical Diagnostic Form)」と呼ばれる医師によって書かれた診断書等に基づき評価します。また、その障がいが、競技ごとに定められた「出場資格のある障がい」に該当するか評価します。
以下は、パラリンピック実施競技(夏季・冬季)における出場資格のある障がいを示した「競技早見表」です。詳細な競技クラスや種目などについては、各競技団体に確認してください。
次に、その障がいが「最小障がい基準(MIC: Minimum Impairment Criteria)」と呼ばれる競技ごとに定められた障がいの程度の基準を満たすか評価します。クラシファイアと呼ばれる専門的な教育を受けたスタッフが筋力や関節可動域、麻痺の程度などの評価を行い、出場資格を判定します。
実際に競技で使用する用具等を用いて、その競技に必要な動きをクラシファイアが評価し、競技クラスを割り当てます。次の評価がいつ必要なのかを示す競技クラスステイタスも同時に割り当てられます。競技によっては実際の試合中の様子を観察することもあります。最終的に割り当てられた競技クラスで競技会には参加することになります。
競技ごとに詳細なクラス分けのプロセスや方法は異なりますので、詳しくは各競技のクラス分け規則をご参照ください。
JPCクラス分け委員会は、パラスポーツにおけるクラス分けに関する啓発・教育を推進し、パラリンピック実施競技国内競技団体(NF)が行う国際基準に則ったクラス分けの実施支援とJPC戦略計画に基づくパラアスリートの発掘・育成・強化をクラス分けの視点から支援することを目的として、JPCのクラス分けに関する取組みを推進しています。
JPCクラス分け委員会は、加盟するパラリンピック実施競技国内競技団体(NF)が国内においてクラス分けを行う際、その方針と手続の枠組みを明確にすることを意図して、JPCクラス分け規程を策定しています。
JPCクラス分け規程は、クラス分けに対する信頼を維持し、広く競技者の参加を促すことを目的としています。この目的を達成するため、規程はすべての競技に共通するクラス分けの方針と手続及びすべてのNFに適用されるべき原則を定めています。
日本パラリンピック委員会は令和6年4月に、JPCクラス分け情報・研究拠点(CH: Classification Hub)を開設しました。CHは、クラス分けに係る「教育・研修」 「国際情報の収集・共有」「調査・研究」 「アスリート情報の管理」 「ネットワーク構築」などの業務を一元的に担うことで、クラス分けの機能充実に向けた取り組みを進める目的で設立いたしました。
【業務時間】
月曜日~金曜日 10:00~17:00
【住所】
〒115-0056 東京都北区西が丘3-12-22ハイパフォーマンススポーツセンター
屋内トレーニングセンター・イースト内(2F)
JPCクラス分け紹介ビデオ
国際パラリンピック委員会 クラス分けオンラインコース: Classification Fundamentals(英語)